元教師のYさん(83歳女性)は、他者との関りを増やす事、夫の介護負担を軽減する事を目的に 『あっぷるの庭』(認知症対応型デイサービス)を利用されることになりました。
お住いのサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)でも意欲がなく契約の際もデイサービス利用に対しての 拒否があり表情も乏しかったように思えます。
利用初日に玄関で出迎えたのは、当時日曜日限定でボランティアをしていた私の次女(5歳)でした。 次女と初めて対面したYさんの変化に気が付きました。リクライニングの車イスに座るYさんは少し背筋を正し、 次女に目線を合わせて名前を聞いたのです。その口調や表情から教師の頃のYさんが想像できる姿でした。
声を掛けられた次女もすぐに打ち解け、体操ゲーム、お手玉、出身地の米沢の話で盛り上がったりと 楽しく手伝うことができておりました。
サ高住へ戻られてからのYさんはデイでの様子を職員へ話されたり、 次女のボランティアが休みの時には、翌週に前回会えなかったことをしっかり覚えていらっしゃったりと デイへ通う前と後での変化が見受けられました。
元教師のYさんとボランティアの子供。 現役の頃の関係性と重なったのでしょうか、教師だったYさんの『その人らしさ』を垣間見ることが できたような気がします。
『その人らしさ』を引き出し、Yさんらしくいられるような環境作りも大切なケアだと実感致しました。